この変異は劣性遺伝であるため、M4対立遺伝子としても知られるc.475A>C変異を2コピー持つ猫では長毛が発現する。しかしながら、この変異体を2コピー持つ猫は短毛の表現型も持つことが判明しており、この変異が毛の長さにのみ関与しているわけではない可能性が示唆されている。FGF5遺伝子には異なる変異型が同定されており、この変異型と複合ヘテロ接合(それぞれの変異型を1コピーずつ持つ)で組み合わせると、長毛の表現型も生じる可能性がある。
FGF5遺伝子は毛髪の成長サイクルの調節に極めて重要である。この遺伝子に変異があると、ヘアサイクルのアナゲン期(成長期)が延長され、結果として髪が長くなる。これはFGF5が、通常はアナゲン期の終わりで毛髪の成長を止める「スイッチ」として働くためである。FGF5が正常に機能しないと、毛髪は通常よりも長く成長し続ける。