この形質はKIT遺伝子の変異と関連しており、KIT遺伝子は胚発生の過程でメラノサイト(色素細胞)の移動と増殖に重要な役割を果たしている。KIT遺伝子の変異はメラノサイトの四肢への移動を阻害し、その結果、四肢に色素が欠乏する。
この特徴的な表現型の原因となる変異体は、KIT遺伝子の機能喪失を引き起こす欠失と挿入からなる。この変異型は常染色体劣性遺伝する。つまり、この形質が発現するには変異型の2コピーが必要である。しかし、この変異体が1コピーでも存在すれば、50%の確率で子孫に遺伝する。
Lyons LA. 猫の遺伝学:臨床応用と遺伝子検査。Top Companion Anim Med. 家猫ゲノムの比較解析により、ネコの生物学と家畜化の根底にある遺伝的特徴が明らかになった 。 Proc Natl Acad Sci U S A. 2014;111(48):17230-17235.